臨床研究発表・研究サポート 演題登録期間延長のお知らせ

[:ja]国際力動的心理療法学会第25回記念大会は、臨床研究発表・研究サポートの演題登録を受け付けておりましたが、この度、より多くの方に発表いただくために期間を延長いたします。

また、それに伴い、発表要旨の提出期限も延長します。提出期限は以下の通りです。皆様の登録をお待ちしております。

<臨床研究発表・研究サポート>

演題登録期間:   2019年5月20日(火)

発表要旨提出期限: 2019年6月14日(金)[:]

第25回年次大会 第2号通信

大会事務局より、国際力動的心理療法学会 第25回大会の第2号通信が届きましたので、お知らせします。

第2号通信では、3日間の大会プログラムを掲載しております。

今回も国内外よりゲスト・ファカルティをお招きし、多くを学べるプログラムとなっております。また、第25回大会の臨床研究発表と事例スーパーヴィジョンの発表者を募集しております。詳細は大会ウェブサイトの演題募集のページをご確認ください。

 

第25回年次大会(2019年11月2日〜4日)のお知らせ

国際力動的心理療法学会 第25回年次大会の開催が以下のように決定しました。

国際力動的心理療法学会 第25回年次大会
大会テーマ:変化の時 Time to Change –現代人はいつ大人になるのか–
大会会長:中村 有希(PAS心理教育研究所/IADP理事/東京医科大学非常勤講師)
日程:2019年11月2日(土)〜4日(月・休)
会場:東京医科大学 新宿キャンパス
大会ウェブサイト:http://25annual.iadp.info

大会事務局より、大会の第1報が届きましたのでお知らせいたします。

 

また、第25回大会の臨床研究発表の演題登録が開始されました。

心理療法の事例研究・事例報告、そして心理療法研究への展開に向けたリサーチ研究を発表できるまたとない機会です。
皆様の積極的な発表をお待ちしています。

詳細は大会ウェブサイトの演題募集のページをご確認ください。

特別研修プログラム『力動的危機介入の実際』のお知らせ

 

災害、事故、犯罪、虐待によって、人が進退窮まる事例が増えています。心の死の危機に対応するには、力動的視点が欠かせません。危機対応は力動的心理療法そして精神看護領域のセルフケア・セラピィにおける専門性の柱でもあります。助けを自ら求めることができない子供や大人が増えている臨床実態を踏まえ、心の危機介入の基本理論と技法を体験的に学ぶワークショップを行います。身近な事例を持ってお集まりください。

 

日 程 :2018年11月11日(日) 9:30~14:30

講 師 :小谷 英文Ph.D.
(IADP理事長・国際基督教大学名誉教授)

参加費:一般専門家 7,000円
IADP会員・大学院生 6,000円

対 象: 心の教育・治療に関わる専門家で、力動的心理療法/精神療法・精神分析・力動論・集団力学に関心のある方、専門家を目指す大学院生

会 場:CSA貸会議室「ペガサート」会議室A
〒422-8581 静岡市葵区御幸町6-1

申込方法:下記の必要事項をご記入の上、郵送、FAXまたはE-mailにて学会事務局までお申込下さい。
①お名前 ②ご年齢 ③性別 ④住所 ⑤電話番号 ⑥ご所属・職種  ⑦最終学歴 ⑧会員/非会員 ⑨本プログラムをお知りになったきっかけ ⑩本プログラムへのご関心

申込用紙はこちらからダウンロードできます

 

Web参加申込が可能になりました(2018/9/20)

 

*申込締切:2018年11月9日(金)18時まで

お申込・お問い合わせ先
〒153-0041 東京都目黒区駒場2-8-9 パス心理教育所内 学会事務局
E-mail: iadp@iadp.info 電話・ファックス:03-6407-8201

会場までのアクセス
CSA貸会議室 ペガサート
〒420-2857 静岡市葵区御幸町3-21
JR「静岡駅」より徒歩6分
静岡鉄道「新静岡駅」隣接

 

チラシはこちらからダウンロードできますので、ご覧ください

 

震災復興支援ニュース:「熊本地震-2年の経過を経て-」

熊本地震後の被災者支援・支援者支援を精力的に取り組んでいる宇佐美しおり先生(当学会会員・熊本大学大学院生命科学研究部教授)より、熊本地震より2年を経た現状と今後の課題についてレポートが届きました。

 

2018.5.7. 公開

熊本地震-2年の経過を経て-

 

宇佐美しおり(熊本大学大学院生命科学研究部看護学講座)

 

2016年4月14日・16日の熊本地震からすでに2年が過ぎようとし、記念日を迎えるにあたり新聞、テレビ報道が地震後の現状に対する評価と批判など、記事にしようと躍起になっている。しかしこれもまた記念日がすぎると忘れ去られるものとなるのだろう。

物理的復興も進み、全壊だった筆者の自宅周辺にも家が再建され近隣と再会することが可能になった。最も被害の大きかった道路は閉鎖されたが、それ以外は道路や橋も整備され、物理的には他の地域と変わらなく生活ができるようになってきている。物理的復興が進み時間がたつほど、被災者の心理社会的問題は抑圧され、さらに被災者であり支援者であった看護職や支援職は、被災地域において2-3年経過以降、離職やうつ、PTSDが進むことが世界の中でも報告されている(Mealer,Mら,2009;山本ら,2017)。

これらの結果をもとに、筆者は、小谷英文博士(PAS心理教育研究所理事長、国際基督教大学名誉教授、国際力動的心理療法学会(IADP)理事長)の治療支援を得て、熊本地震直後から、被災者であり支援者であった看護職の離職防止、特に抑うつ、外傷後ストレス障害(PTSD)、慢性疾患の悪化防止を目的とし予防介入プログラムを実施している。震災後1年間は熊本県看護協会とともに、2年目からはWHOの研究助成を受け、兵庫県立大学地域ケア開発研究所(増野園恵所長,山本あい子前所長)とともに、人々の健康を維持するための予防介入プログラムの開発・検証に取り組んでいる。熊本県看護協会と日本専門看護師(CNS)協議会を後援団体としてこれらの取り組みを後援してくれた。この予防介入プログラムは2つのパートに分かれ、増野園恵所長たちが実施する慢性疾患予防介入プログラムと看護職の離職防止を目的とし、離職の引き金となる抑うつ、PTSD予防・悪化防止のための予防介入プログラム(熊本班)がある。WHOはこの予防介入プログラムを警察や消防、行政職へも応用することを期待している。

熊本班の予防介入プログラムは2日間のprogramから構成され、自分の抑うつ、PTSDとどう向き合いながら仕事を継続するのかという公開相談、小講演のプログラムと、力動的集団精神療法ならびにセルフケア促進のための個別相談から構成されている。2年間で、力動的集団精神療法が延べ427名、公開相談が延べ351名、個別相談が延べ107名、専門家コンサルテーションが延べ15名、合計延べ900名がこのプログラムに参加している。またこのプログラムの評価をうつ状態のスクリーニングとしてCES-D、健康状態による生活の質評価としてSF-8、心の状態変化として小谷博士が開発したDCTR(Dynamic Change for Trauma Response,DCTR)を用い、介入前後、3か月後、6か月後で測定している。参加者のうつ状態は中等度のうつ状態で健康状態によるSF-8も他の研究と比較すると身体的側面、精神的側面双方とも悪い状態ではあったが、介入前後の心の状態は変化し、介入後に食欲、睡眠、重要他者への信頼度と愛情、仕事や生活への意欲が増していた。現在、3か月後、6か月後のデータ整備を行っているところである。さらに予防介入プログラムの内容を対象者の了解を得てテープ録音し、グラウンデッドセオリーアプローチ並びに事例分析を用いて分析を行っている。分析途中ではあるが、参加者は地震前に重要な人の喪失、重要他者からの身体的・性的虐待、はく奪体験を受け、地震の後に、仕事におけるトラブルが引き金となり、トラウマ反応、抑うつが強くなり仕事の継続が困難になっていた。しかし看護管理者ならびにCNSがその状態に気づき、予防介入プログラムへと導入した対象者であり、自分の状態への気づきから開始し、意識したセルフケアへと展開を助ける必要のある対象者であった。また事例分析では力動的集団精神療法で自己の安全空間をgroupメイトリックスの中で気づき、グループの安全感に支えられながら個人の怒り、悲しみ、虚しさに気づいて自分で表現し、さらに自分の欲求に触れながら自分の生活の再構築を図っていた。そして、継続して参加することで自分の生活を意図的に展開できるセルフケアが可能になっていた。

これらの予防介入プログラムを実施できる人材は医療界、精神看護の領域には少ないことが今回の地震を契機に明らかとなり、筆者は、専門看護師(Certified Nurse Specialist,CNS)として、高度実践看護師(Advanced Practice of Registered Nurse.APRN)に必要なスキルであると考えている。海外においては、APRNのCNSならびにNP(Nurse Practitioner)がカトリーナ、台風、竜巻、大洪水、テロなど大災害や人的災害後のトラウマ治療に対しAPRNが取り組めるようResilience Trainingに取り組み始めたが、看護の学部、大学院教育にトラウマを含めたうつや人格障害患者への治療がかけていることが報告されている(Wheeler,K,2018)。日本においても身体疾患を有し急激なインフォームドコンセントや病名告知、治療展開にうつ状態やトラウマを有する人たちが増えてきており、また自分の衝動や欲求が言葉で表現できずに身体・行動に身体化、行動化として表出する患者が増えてきており、看護管理者や看護者を通じてケア困難患者と表現され、CNSがこれらの患者に出会い治療・看護ケアを展開することが多い。

CNSが困難患者と出会い、患者が改めて自分のセルフケアを意識的に取り戻していく過程に対する治療展開をPAS-SCT(Psychoanalytic Systems – Self-care Therapy,パスーセルフケア治療)と呼び、筆者は小谷英文博士の指導の下、この技法の理論整備と介入技法の開発、検証に取り組み始めた(小谷,2018)。

現在取り組みの真っ最中であり、今後APRNが実施できる普遍的技法として位置付けていきたいと考えているが、震災支援が日常の専門家としての気づきを促進し方向性をもたらしてくれている。

 

引用文献

  1. Mealer,M.Burnham,L,Ellen, Goode, J.Colleen., Rothbaum, B.,Moss, Marc.(2009): The Prevalence And Impact Of Post Traumatic Stress Disorder Andburnout Syndrome In Nurses,Depress Anxiety. 2009 ; 26(12): 1118–1126
  2. Wheeler,K.(2018):A Call For Trauma Competenceis In Nursing Education,24(1),P20-22,Journal Of The American Psychiatrc Nursing Association.
  3. 山本あい子・宇佐美しおり(2017): Development Of Specific Care Strategies To Maintain And Recover Among Survivors’ Health After Disasters,WHO RESEARCH PROPOSAL.

編集責任者 理事(編集担当) 嶋田一樹

アカデミックトランスレーター募集のお知らせ

アカデミックトランスレーターとして、学会運営のお手伝いをしてみませんか?

国際力動的心理療法学会(以下:IADP)では、毎年国内外の専門家を招き、年次大会及び研修プログラムを行っています。
力動的心理療法では「言葉」により運ばれる情報とエネルギーの行き交いを大切にしています。
その「言葉」の行き交いを実現させるために、力を貸してください。

 

募集するボランティアの種類

1 専門家トランスレーター
対象:心理療法家またはそれに準ずる者、大学院生
年次大会または研修プログラムに参加しながら翻訳・通訳の補助を行う

2 ボランティアトランスレーター
対象:大学生、語学学校生、留学経験者など高校卒業以上の年齢の方
年次大会または研修プログラムの翻訳・通訳の補助を行う。

3 翻訳トランスレーター
対象:1、2の対象と同じ
年次大会または研修プログラムの事前の翻訳の補助を行う

※詳細につきましては、IADP アカデミックトランスレーター(ボランティア)規約を参照ください。

 

登録制

アカデミックトランスレーターをするには、IADP事務局への登録制とします。各プログラム開催にあたり、登録されている方に、各プログラム事務局よりご連絡をさせていただきます。ご登録を希望される際は、申し込み用紙をIADP事務局へご提出ください。

※今年度に関しましては、同時に各プログラムの開催のご案内と、活動の希望を申し込み用紙にて受け付けます。

 

現在募集している活動

<IADP 第 23 回年次大会>
11 月3日~5 日の 3 日間
会場:東京工業大学田町キャンパス (JR 田町駅より徒歩 2 分)

11 月 3 日(金、祝日)    時間:10:30~19:00
11 月 4 日(土)       時間:9:30-18:45
11 月 5 日(日)       時間:9:30-16:50

※全 3 日間、または部分的でも参加可能 です。詳しくはお問い合わせください。

 

 

お申し込み

アカデミックトランスレーター登録をご希望の方は、以下の「アカデミックトランスレーター募集のチラシ」および「IADPアカデミックトランスレーター規約」をよくお読みの上、下の申込書にご記入の上、IADP事務局までFAX、郵送、e-mailでお送りください。

書類はこちらからダウンロードできます

 

申込書送り先・お問い合わせ

国際力動的心理療法学会事務局
アカデミック・トランスレーター担当:吉田 愛
第 23 回年次大会事務局
通訳・翻訳担当:髭香代子

〒153-0041 東京都目黒区駒場2-8-9 PAS心理教育研究所内
Tel & Fax : 03-6407-8201
E-mail: iadp@iadp.info

特別研修プログラム「事例研究の始め方」をスタートします

国際力動的心理療法学会は、2017年4月より特別研修プログラム「事例研究の始め方」をスタートします。

事例展開のSVを受けながら、その事例から何が研究できるか、を検討しよう

 臨床心理学の研究スタイルには様々ありますが、その中でも「事例研究」は臨床家にとって重要な位置を占める研究です。今、皆さんが直接関わっている事例をお持ちいただき、事例展開のスーパービジョンを受けながら、その事例から何が研究できるのか、を具体的に検討していきます。日ごろの臨床実践の成果を事例研究として論文化したい、学術雑誌に投稿したい臨床家の方々が、事例研究法を基礎から学べる講座です。

詳細は以下のチラシをご覧ください。また当ウェブサイトの特別研修プログラムのページも併せてご覧ください。

学会提言「日本におけるメガ災害PTSDの予防および心理療法トリートメントシステム構築の必要性」

2017年1月14日、国際力動的心理療法学会は、これからも予想がなされているメガ災害PTSDの予防・トリートメントシステム強化に向けた提言を発行しました。

「日本におけるメガ災害PTSDの予防および心理療法トリートメントシステム構築の意必要性」(PDFファイル)はこちらから

この提言は、東日本大震災、熊本地震、両震災後の大規模心的外傷後ストレス障害(Post-Traumatic Stress Disorder:PTSD)への対応において、大きく残された問題と、当学会の対応成果を踏まえ、作成されました。2016年11月3日に、東京大学駒場キャンパス18号館にて行われた第22回年次大会プログラム「提言:不測の衝撃に向けて」において素案が公表され、学会での議論を経て、同大会中に開催されたIADP総会において発行することの了承がなされた「IADP提言」です。

力動的事例スーパーヴィジョン第6回の参加申込受付延長のお知らせ

IADP_DCSV_6th 国際力動的心理療法学会では、2016年10月15日(土)に、力動的事例スーパービジョンの第6回を開催します。

第6回は、「うつと森田療法 」をテーマに、北西憲二先生をスーパーヴァイザーとしてお招きします。北西先生は、日本独自の精神療法である森田療法を研究、実践し、外来個人精神療法としての森田療法を現代の複雑化する「うつ」などの問題に対しての適用を進めている先達でいらっしゃいます。

より多くの専門家の方に参加いただけるように、こちらのプログラムの参加申込受付期限を10月11日(火)に延長します。

 不安や悩みのあるがままを受け入れる東洋思想に基づき、その奥にある自己愛あるいは強迫の病理に焦点をあて、ダイナミックに生き方をとらえなおし、自身を生かしていく、心理療法の理論・技法・態度を学んでみましょう。

【対象】
心の教育・治癒・治療に関わる専門家で、力動的心理療法/精神療法・ 精神分析・力動論・集団力学に関心のある方、専門家を目指す大学院生

力動的事例スーパーヴィジョン第6回のチラシはこちらから
申込書はこちらから