A-1. 自然災害と関連した子どもの心的外傷に対する心理力動的治療技術

災害臨床プログラム ワークショップ【DCP】
アゴラ ワークショップ

自然災害と関連した子どもの心的外傷に対する心理力動的治療技術

トレーナー:
  ラルフ・モーラ(アメリカ海兵隊岩国航空基地 岩国診療所(BHC)心理士)

時間:9:30〜11:30, 14:30〜17:30

言語:英語(通訳がつきます)    参加対象者:専門家・一般市民

 

<ワークショップ紹介>

2011年に東北地方を襲った津波災害が彼らの人生、そしてコミュニティに与えた衝撃に、多くの子どもたちは苦しみました。これまでの研究により、心理治療的な介入はこのような子どもたちの人生を大きく改善できることが分かってきています。本ワークショップでは、心理力動的なアプローチ、特にハインツ・コフートの自己心理学の観点に影響をうけたものに着目し、重篤なPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ子どもたちの治療に焦点を当てます。

5時間のワークショップでは、自然災害に晒された子どもたちの日常生活における心的外傷によるストレスの実態を描き、これらの子どもたちの治療の複雑さを探求します。扱う視点は、子どもの癒しを促進するためのセラピストの人間としての反応です。それゆえディスカッションの大部分は、それぞれの固有の文化や立場の背景の中で、自分自身の反応を、心的外傷によって変化した自己の感覚と付き合う助けにしなくてはならない子どもたちと出会っていくセラピストが、自分自身のネガティブな逆転移を観察し、統制する必要性に重点を置きます。

最初の1時間は、疫学的な研究と、コミュニティアプローチ、プレイセラピィ、そしてグループアプローチなどの様々な介入方略を含む、子どものPTSDにおける文献の概観を提供します。2時間目は、PTSDに苦しむ子どもたちの理論的な側面に、特に、破損した自己症候群(damaged self syndrome)に重点を置きながら着目します。最後の3時間は治療に焦点化し、心的外傷を振り返ることが安定してできるようになるところから徹底操作へと治療が進むこと、また子どもという対象群における固有の転移・逆転移の側面について扱います。