大会会長挨拶:IADP2012

国際力動的心理療法研究会第14回年次大会を、我々は国際集団精神療法集団過程学会地域会議のホストとして、環太平洋集団精神療法集団過程学会大会と合同開催を2008年松江で行いました。神々が一堂に会する神無月に世界の心理臨床エキスパートたち、精神科医、看護師、ソーシャルワーカー、教師で集い、心の平和、人と人の間の平和、世界の平和の基盤となる心の安全空間の心理療法学的探求を豊かに行いました。そして今、私たちは東日本大震災からの復興に向けて苦しい闘いを強いられています。 戦争以外もはや人智を超えた怖れは無いかの如くに、かつてない貪欲な生産性を科学のパワーで実現した人類に、3.11東日本大震災は自然本来の脅威を我々に突きつけただけでなく、科学の安全保障神話を打ち砕く制御不能の放射能災禍をもたらしました。“Fukushima problem”です。 このような人智の想定を超えた突然の破壊に遭遇して、人は一体何ができるのでしょうか。心理臨床、医療、教育の専門家として、ひいては世界市民として、我々の誰もが深刻な関心を交わしています。

国際力動的心理療法研究会の理事長、そして第18回年次大会会長として、私は東日本の中心都市仙台にて大会を開く決断を致しました。この過大な災禍に見舞われ、今なお二次災害、三次災害の脅威にさらされている人々の復興の闘いに我々も参与し、集うことにより支援の心理的、象徴的な意味を強く期待してのことです。 未曾有の震災による致命的な痛手の中にある地域において、復興の新たな地平を切り開いていく共々の営みに集う会員および世界の心理療法家を心より歓迎致します。この震災の危機を2001年のニューヨーク、1945年の広島、長崎の人々が克服していったように私たちも乗り越えていくことを、私は信じて疑いません。

国際力動的心理療法研究会
 理事長/第18回年次大会会長
小谷 英文